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「スマートフォンサム」

2017.10.17 09:38

最近、痛めた覚えがないのに手首の痛みを訴える人が急増しているようです。

皆さんは大丈夫ですか?そういう私も、実はその一人であります。

しかも、数年前はマウス肘(上腕骨外側上顆炎)になりました。腱鞘炎の一種です。

 

腱鞘炎は、筋肉と骨をつなぐ腱とそれを包む腱鞘がこすれ合うことで生じる炎症です。腱鞘というのは、骨と筋肉をつなぐ腱が骨などにぶつかって、痛い思いをしないように保護するためものです。腱鞘の「鞘」は、「さや」とも読み、刀の鞘と同じようなものだと考えると、イメージしやすくなると思います。腱を収める鞘、それが腱鞘です。

 

そのマウス肘を患っている時には、上腕に黒いサポーターを付けて傷んだ腱鞘を保護しておりました。単なるファッションと思っていた方もおられたようでしたが、あのサポーターがないと激痛が走ってキーボードも打てないだけでなく箸も持てなかったのです。サポーターなしでキーボードが打てるようになるまで二年ほどかかりました。

 

そして、今回の手首の痛みの原因は何とスマートフォン!「スマートフォンサム」の「サム」とは、親指のことだそうです。まさか、手首が痛い原因が親指だとは思いませんでした。親指そのものが痛むのであれば、自分でも気が付ける可能性がありますが、親指ではなく手首に症状が出ることにより原因がわかりにくいようです。親指のスマホのフリック打ち、スワイプなどが、親指に負担をかけ 「スマートフォンサム」 になりやすいということでしょう。実は、本来親指は物を掴むための動作しかできないということで、文明の利器を生み出し使うことによって背負うことになってしまった人類の新たな進化の過程でもあるようです。

 

ただ、スマホやパソコンの使いすぎが原因の現代病と言われても、「使わない」というのは厳しい方がほとんどではないでしょうか?スマホにおいては、親指ばかり使わずに人差し指を使う、親指の代わりにタッチペンを使う、パソコンにおいては手首にクッションをあてるなど積極的にとりいれたほうがいいのかもしれません。

 

そして、私自身は前回のマウス肘だけにとどまらず、スマートフォンサム。年齢とともに訪れる更年期マーチの一つということでしょうか?加齢も炎症の元になるらしいということですので、致し方ないということでしょう。

 

スマートフォンサムだけでなく、マウス肘やスマホ老眼、そしてストレートネックなど、本来の動きではない想定外の動きにより酷使して炎症が起きやすい環境にいることを意識し、与えられた体と付き合っていかなくては思うことでした。今後は、文明の利器を使うときには、便利になった代わりに失ってしまったことや便利になった代わりに負担になっていることなど考える時間を持てるようにしていきたいと思いました。

 

 

最後に、スマートフォンサムかどうか簡単にチェックする方法があるので、皆さんもお試しください。

 

  1. 親指を曲げます。
  2. 残りの4本の指を曲げます。(親指を内側に入れたグーの状態)
  3. そのまま小指側に手首を曲げます。

 

これで少し痺れる感覚や痛みを伴う人は「要注意」ということですので、適度に休めるなど他の代替方法で緩和して体をいたわってください。

 

          医事課係長 石窪