血液浄化

1. 上山病院の透析室・腎愛会の透析の特徴

上山病院の透析室は広い!

上山病院は旧じんあいクリニックをベースに大規模な増改築を行い、平成21年7月1日にリニューアルオープンしました。
透析室は2階にあり、最大で75台まで透析装置の設置が可能となっています。広々としたゆとりの空間の中で、患者様は透析を受けられています。

腎愛会の透析の特色は?

私たちは病魔と闘う患者様のつらさ、苦しみを少しでも取り除いてあげたいという願いのもと、腎愛会の理念にもあるように、開院以来30年間、最良の医療を追い求めて参りました。
その代表的な取り組みが全国でも先駆け的存在であるHDF導入でした。
これまで培ったきれいな水づくり(HDFには欠かせません)を生かし、ダイアライザ(透析器)の最適選択などにより、これまでと劣らない透析治療を提供すべく、日夜励んでいます。

2. 腎愛会こだわりのダイアライザ

ダイアライザの話…サンドウィッチ方式!?

今回はサンドウィッチの話をします。「えっ サンドウィッチ!?」…はい。食べ物の話ではありません…
血液透析では、透析装置に備え付けた「ダイアライザ」という人工腎臓を使います。
このダイアライザの働きにより、腎臓機能低下に伴い排出困難となった体内老廃物が除去されます。しかし、膜の種類やポアーサイズによって、それぞれのダイアライザの除去能には様々な違いがみられ、排出される老廃物に違いが生じるのです。
当院は、ここに着目。
常に同一のダイアライザばかりを使うのではなく、違う効果を持つダイアライザを交互に使うことにより、小分子から低分子の領域の老廃物をおしなべて除去できるよう努めています。
名付けて「サンドウィッチ方式」。
交互使用は確かに多くの手間がかかりますが、患者様により良い医療を提供するため、当院では30年前の開設当初からこの手法に取り組んでいます。

ダイアライザにも個性がある…

透析アミロイドーシスを防ぐために

透析アミロイドーシスは、血液透析治療が長期に渡っている腎不全患者に頻発する合併症です。
β2-MGを構成成分とするアミロイド沈着が発症原因であり、沈着は骨および関節の中とその周辺、ならびに手根管内に好発し、消化管や他の臓器にも認められています。
これらのことから、手根管症候群、破壊性脊椎関節症、骨嚢胞性病変、病的骨折など特徴的な臨床症状が起こります。
透析アミロイドーシスの治療は、患者体内のβ2-MGを除去し、アミロイド沈着を防止することにあります。また、アミロイド沈着局所においては、マクロファージ※1がサイトカイン※2を放出するため、サイトカインの除去も必要となります。
β2-MGは正常な腎臓では除去されますが、従来までの透析膜では充分に取り除けません。
そこで当院では、4型ダイアライザでβ2-MGの除去を行い、α1-MG領域のサイトカイン除去のために、中空糸充填率を高めた内部濾過促進型ダイアライザAPS-EXや、4型でα1-MG領域吸着能があるBG-PQを組み合わせて使用しております。
内部濾過促進型ダイアライザAPS-EXは、生体内で重要な役割のあるアルブミンの漏出が比較的多いため、使用頻度や対象を十分検討し、患者様の治療に役立てております。
尚、透析アミロイドーシスのみならず、その他の合併症を防ぐために、当法人はオンラインHDFを実施しております。
※1マクロファージ:白血球の一種 ※2サイトカイン:体内で炎症が起きた時に放出される情報伝達物質

MHCクラスI分子。
α1〜α3の3つの細胞外領域と細胞膜貫通領域、細胞内領域からなる重鎖と、β2-ミクログロブリンからなる

3. きれいな水づくり(透析液)

どこにも負けない「きれいな水づくり」

透析にはきれいな水づくりが重要ですが、当院ではどこにも負けないくらい細心の注意を払って水質管理に取り組んでいます。
RO装置と呼ばれる純水化装置内だけでなく、透析液が流れる回路には幾重にも様々なフィルタが取り付けられ、また配管は「シームレス」といって、菌が発生しにくい「つなぎ目なし」のものが、かなりの部分で使われています。
HDF方式では、より厳しい水質基準をクリアしたきれいな水が不可欠です。
患者様にとって安全で快適な透析を提供するため、現在でもこのきれいな水づくりの努力は変わらず続けられています。
ちなみに、当院では20年も前から、エンドトキシン濃度は検出限界以下のレベルを維持しています。

綺麗な水づくりが良質な透析医療に役立っています

きれいな水づくり~エンドトキシンと腎愛会

当院のきれいな水づくりについて、エンドトキシン濃度は検出限界以下のレベルを維持していることをお伝え致しましたが、今回はその「エンドトキシン」についてです。
エンドトキシンとは、内毒素とも呼ばれ、グラム陰性菌の細胞壁表層に存在し、菌の抗原性を担う多糖(O抗原)、コア糖鎖、アミノ糖と脂肪酸からなるリピドAで構成されるリポ多糖です。
エンドトキシンは複雑で多岐にわたる生理活性を示す物質であり、透析患者様など免疫力が低い方の血液内にエンドトキシンが浸入すると、発熱、血圧低下、白血球減少、血小板減少などの症状を引き起こし、状況改善がない場合は、敗血性ショックを来す場合があります。
生菌はダイアライザのポア(30~90×10-10m)より大きい(約1000×10-6m)ですが、菌が死んでしまうと菌の細胞壁が遊離し、エンドトキシンとなります。
その中のフラグメントがダイアライザの膜を通り抜けてしまいます。このような状況を作り出さないために、私達は20年も前から、エンドトキシン濃度を検出限界以下で維持することに取り組んでおります。
このような取り組みを継続することにより、合併症の発症を極力抑え、患者様の健康を維持することに少しでも貢献できるよう努めて参ります。

サルモネラ菌と鞭毛(エンドトキシンとなる)

4. エコーガイド下穿刺

エコーガイド下穿刺について

今回は当院の透析室で行われているエコーガイド下穿刺をご紹介致します。
エコーガイド下穿刺の対象は、「バスキュラーアクセス(以下VA)が細く、深く、触れにくい。動脈が近い。内腔が狭い。血腫形成がある。VA未発達である。穿刺抵抗がある…」などですが、これらの状態には、エコーガイド下穿刺は極めて有効です。
VA穿刺で気を付けることは、危険な個所を避けること、血管内の後壁・側壁に内筒先端が触れないように外筒先端を血管内まで進めることであると考えられますが、エコーガイド下での穿刺は、スムーズにそれを可能にしています。
当院でのエコーガイド下穿刺開始時は、担当者一人でのエコーのプローブと針の操作に苦戦したり、針の位置が分からなくなってしまったりと課題が出ました。
また、「エコーがあるとすぐに始められるが、技術の習得に時間がかかる。エコーが高額機器であるため、安易に購入できない。穿刺者の手技によっては、エコー不使用での穿刺よりも痛みがある」などのデメリットがありました。
しかし、続けるにつれ、穿刺困難者への穿刺が成功しやすくなったこと、全体の穿刺効率が改善されたこと、穿刺角度が透析加療において如何に重要であるか分かったことなど、多くのメリットもありました。
エコーガイド下でのVAへの穿刺は、穿刺に伴う患者様の痛みを軽減し、VAそのものを保護するためにも大変有効です。
今後もさらにエコーガイド下での穿刺に取り組み、穿刺技術の向上と、透析時の不具合修正の技術向上に努めて参ります。

5. 透析治療を受けられる方々に関係の深い血液検査項目について

透析治療を受けられる方々に関係の深い血液検査項目について①

透析患者様の身体状況を確認する方法の一つとして、血液検査があります。安全な透析治療を行うために、当院でも定期的に患者様の血液検査を行っています。
透析医療における代表的な血液検査項目を、4回に分けて紹介致します。
◎BUN(尿素窒素):血液中の尿素の量を表すのがBUNです。
尿素は蛋白質終末代謝産物で、肝臓で産生され、腎臓で排出されます。蛋白が分解されると毒性が非常に強いアンモニアが発生し、そのアンモニアは肝臓で代謝され、尿素に作りかえられた後、腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。
血液中の尿素の量を尿素窒素で表します。腎臓の機能が低下して老廃物を排泄する能力が落ちれば、尿素がろ過しきれずに血液中に残るので、血液中のBUNを検査すれば、腎機能の評価ができます。
◎CRE(クレアチニン):筋肉中にはクレアチンリン酸と呼ばれる窒素酸化物が含まれています。 クレアチンリン酸が酵素によってクレアチンに分解されるときに放出されるエネルギーで筋肉は動きます。クレアチンはクレアチニンに変えられ血液を介して腎臓でろ過され尿中に排泄されます。
クレアチニンの量は、筋肉や運動量と関係しているといわれます。そのため、一般に女性より男性のほうが高値に出ます。筋肉量が落ちてくると、クレアチニンの量も減少します。血液中のクレアチニンの濃度は、腎機能を見る指標となります。
上記2項目で、透析の効果の確認を行うことも出来ます。
人工透析では、透析前の数値から70%以上の除去を目指し治療を行います。
透析の効率が良く、透析後にはBUN、CREとも基準値未満となる方がいらっしゃいますが、問題にはなりません。

透析治療を受けられる方々に関係の深い血液検査項目について②

今回は血液検査におけるCa(カルシウム)とIP(無機リン)、K(カリウム)を紹介致します。
◎Ca(カルシウム)とIP(無機リン):透析患者様の血中Ca濃度は、8.4~10.0mg/dlが適切とされており、Caとセットで見る血中IP濃度は3.5~6.0mg/dlが適切とされます。
通常体内のCaは精神安定や、筋収縮を保つ働きがあり、IPはATPのような高エネルギーリン酸結合の成分として大切な働きがあります。
CaとIPが過剰にあると、リン酸カルシウムとして結合し石灰化します。骨以外の血管などへの石灰化は動脈硬化をもたらします。他にも関節や心筋、皮膚に沈着し、合併症の原因となります。
また、Caが不足すると副甲状腺機能亢進症などの症状が現れます。IPが不足するとATPが減少するため、白血球の働きが悪くなるなどの症状が生じます。
◎K(カリウム):KはNa(ナトリウム)が腎臓で再吸収されるのを抑制して尿中に排泄させる働きがあり、血圧を降下させる働きがあるほか、筋肉を弛緩させる働きがあります。
透析患者様の場合、3.5~5.5mEq/ℓが基準値となり、6.0mEq/ℓ以上となると要注意です。
腎臓機能の低下が進み、Kの排泄が行われなくなると、血中のKが増加します。Kが過剰であると筋肉が収縮しにくい状態となり、心筋にも影響があるため、不整脈などを起こします。
体内のKが不足すると血圧上昇や睡眠障害などがみられることがあります。
Ca、IP、Kともに食事への注意が大切です。自宅での食事療法は難しいですが、栄養士による栄養指導等を活用し、食事管理に取り組みましょう。

透析治療を受けられる方々に関係の深い血液検査項目について③

今回は血液検査におけるTP(総蛋白)とAlb(アルブミン)を紹介致します。
◎TP(総蛋白):血清中の蛋白質は、100種類以上存在しており、生命維持に重要な役割があります。
通常、血液中の総蛋白は一定の範囲に保たれていますが、肝臓・腎臓の病気によって増減します。また、栄養状態も反映します。
総蛋白の検査だけにとらわれず、他の肝臓機能の検査や尿蛋白の結果などと合わせて、総合的に判断します。
総蛋白は、蛋白質の濃度を示し、基準値は6.5~8.2g/㎗です。数値自体には、合併症がある場合などで個人差がありますが、できるだけ基準値に近づけ、それを維持していくことが大切です。
また、体重増加(水分の蓄積)が多い場合薄められて見かけ上低くなってしまうことがあります。日頃の体重管理にも注意が必要です。
◎Alb(アルブミン):アルブミンは一群の蛋白質の総称で、血液検査では血液中の血清アルブミンのことをいいます。
基準値は4.10~5.10g/mlです。
血清中には多くの蛋白質が存在しており、アルブミンは血液中の蛋白質の約60%を占め、血液の浸透圧の調整の役目を担い、血管中の血液の量や体内の水分の量を調整する重要な働きをしています。
また、体内のいろいろな物と結合し、これを目的地に運ぶ運搬作用もあります。
血清アルブミンが減少する原因には、①合成の低下(肝硬変、炎症性疾患)②尿、大便、分泌液などへの漏出(ネフローゼ症候群、吸収不良症候群、火傷)③代謝亢進(こうしん)(甲状腺機能亢進症、炎症性疾患)④栄養不良(低栄養)、さらに透析患者様であれば⑤透析によるアルブミンロスなどが考えられます。
どの症状に当てはまっても、食生活が不規則で、たんぱく質をあまり多く摂っていないようでしたら、栄養のバランスを考えた食生活を心がけ、透析中であれば、3.5g/ml以上を目指しましょう。

透析治療を受けられる方々に関係の深い血液検査項目について④

今回は血液検査におけるHb(ヘモグロビン)とHt(ヘマトクリット)を紹介致します。
◎Hb(ヘモグロビン):Hb(ヘモグロビン)は、赤血球に含まれている「ヘムたんぱく質」と呼ばれる成分で、赤血球の赤い色素成分でもあることから「血色素」とも呼ばれています。
ヘモグロビンの最大の役割は、肺で吸収された酸素を全身に送り届けることです。貧血の原因は鉄成分の不足によることが多く、貧血症の90%程度が鉄欠乏性貧血と言われています。
ヘモグロビンの量が減少すると、体内の酸素運搬能力は低下し、様々な症状が現れます。ヘモグロビンの血中量が正常であるかどうかを検査によって測定し、治療方針を決めるための材料とします。
ヘモグロビンの基準値は男性が13.6~18.3g/㎗、女性が11.2~15.2g/㎗です。透析患者様では10.0~11.7g/㎗が望ましいとされます。
◎Ht(ヘマトクリット):ヘマトクリットの基準値は、男性が38.0~50.0%、女性が34.0~45.0%です。透析患者様の目標値は30.0~36.0%程度です。
血液中で血球の占める体積を示しており、ヘモグロビンとともに貧血の指標となります。通常、赤血球数が減るとヘモグロビン量は減り、ヘマトクリットの値も下がります。
このように、3つの値は密接に関係して増えたり減ったりします。これらをもとにして、貧血であることがおおよそ診断できます。
透析患者様では、エリスロポエチンと呼ばれる腎臓で作られる造血ホルモンが不足することから、貧血傾向となります。
これを改善するには適正なエリスロポエチンの投与が必要であると同時に、造血に必要な原料になる鉄成分が適当量存在することが大切です。
透析患者様の場合、貧血はエリスロポエチンの不足だけではなく、炎症や栄養不良、ビタミン不足(葉酸、ビタミンB12)、カルニチン不足、悪性腫瘍、消化管出血など様々であり、多角的に診なければなりません。
貧血の改善は、心不全の予防にもなり、生活の質を維持するために大切なことでもあります。

6. 透析とセロトニン

透析とセロトニン①

セロトニンとは人間の精神面に大きな影響を与える神経伝達物質のことで、ノルアドレナリンやドーパミンとともに、体内で重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つです。
ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用があります。セロトニンが体内で不足すると精神のバランスが崩れ、暴力的になったり、うつ病を発症したりすると言われています。
セロトニンは自然界の動植物に一般的に含まれる物質で、トリプトファン(アミノ酸の一種)から生成されます。
体中には約10ミリグラム程度が存在しており、そのうち約90%は小腸の粘膜にあるクロム親和細胞と呼ばれる細胞内にあるため、過敏性腸症候群などの症状にもセロトニンが関連しているとも考えられています。
体内の残り10%のセロトニンのうち8%は血小板に収納され、血液の循環を通じて体内を巡ります。
血液中のセロトニンは、血液を凝固させる「止血作用」や、「血管の収縮作用」などがあり、この収縮作用が偏頭痛の原因の一つであるとされています。
残りの2%が脳内の中枢神経に存在しており、この脳内の僅か2%のセロトニンが人間の精神面に大きな影響を与えていると考えられています。
セロトニンの働きが鈍ったり、不足したりするとうつ病などの精神疾患にかかったり、逆にセロトニンの濃度が高くなりすぎるとセロトニン症候群と言われる中毒症状が現れるなど、人間の精神安定にセロトニンが大きく影響していると言われています。

透析とセロトニン②

セロトニンは、人間の精神面に大きな影響を与える神経伝達物質で、体内で重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つです。
心のバランスを整える作用があります。血液透析をされている方々は、トリプトファンが不足となりやすい傾向があり、つまりはトリプトファンを原料としているセロトニンが不足してしまうことにもなり得ることが考えられます。
血液透析は、透析時間を長くするほど尿素窒素を除去できる量は多くなりますが、アミノ酸漏出量も同等量となるため、アミノ酸の一つであるトリプトファンも漏出していることになります。
現在スタンダードとされる透析療法を受けるにあたっては、アミノ酸を多く含む蛋白質の摂取が大切です。また、適度な運動を行い、筋力を維持することも大切であることから、人として身体機能を保持するためには、透析をされている方もそうでない方も基本は同じと言うことになります。
トリプトファンからセロトニン生成には、日光にあたること、適度な運動、グルーミング(家族や親しい間柄の人とのスキンシップなど)などが関与していると言われており、これらのことは、人が生きていく上でも大事なことです。
良く食べて、しっかり透析を行い、適度な運動を行いながら、生活の質を保持しましょう。

透析とセロトニン③

私たちの生活において重要なセロトニンにつきまして、今回は透析との関係をご説明致します。
セロトニンは、必須アミノ酸の1つであるトリプトファンを材料に生成されます。血液透析では透析時間を長くするほど人体から排出されるべき尿素窒素(BUN)が除去できる量は多くなります。
トリプトファンの分子量は204.23であり、尿素窒素の28より大きく、血液透析は尿素窒素とともに、トリプトファンも除去されてしまうことになります。
セロトニンの原料であるトリプトファンが血液透析で除去されてしまうことへの対策は、1日3食適度に食事を行うことであり、それに付加して、適度な運動、規則正しい生活を行うことが、透析をしている方もそうでない方も基本的には変わりありません。
また、セロトニンは、リラックスや睡眠を誘う作用があるメラトニンの材料となるため、快適な睡眠にも欠かせない物質です。1日あたり500~600mgくらいのトリプトファンの摂取がしっかり眠れ、精神保健に有効と言われています。
トリプトファンを増やすには、サプリメント等でトリプトファンだけ摂取するよりは、必須アミノ酸(トリプトファン・リシン(リジン)・メチオニン・フェニルアラニン・トレオニン・バリン・ロイシン・イソロイシン・ヒスチジン)をバランス良く摂取することが大切です。

7. オンラインHDFとサイトカイン

オンラインHDFとサイトカイン

患者様の血液が透析膜と接触すると、補体※の分子構造が変化し、活性化されます。その活性化経路には古典的経路(classical pass way)と副経路(alternative pass way)が知られています。
活性化した補体は、単球やマクロファージを活性化させます。活性化された単球やマクロファージは、サイトカインを産生します。
透析患者におけるサイトカインの増加は、動脈硬化病変の進展、栄養障害、慢性炎症に大きく影響し、患者様の生命予後に悪影響を及ぼします。
サイトカインを減らすには、透析液の徹底的な清浄化や生体適合性の良いダイアライザの使用などが必要です。
そこで私達が注目しているのがオンラインHDFです。
オンラインHDFは、サイトカインの効率的な除去が可能です。腎愛会では、エンドトキシン検出限界以下を維持するほどの水質を保ち、オンラインHDFを行うのに最適な環境を用意しております。
今後もこのような取り組みを続けることで、患者様の健康維持に努めてまいります。
※補体は食細胞による病原菌の食作用の促進や、病原菌の細胞膜に孔を空けるなど、病原菌排除に役立っている。同じような働きをする抗体の働きを補佐するという意味から補体と命名された。

リクルート特設サイト