血液浄化

当院の人工透析について

血液透析

腎臓は、体の中の老廃物を排泄し水・電解質のバランスをとるという機能があります。
腎臓の機能が正常の10%以下に低下すると、尿から老廃物や水分が適切に排泄されなくなり、尿毒症・水分過多による心不全等の症状が出てくる危険性があります。
血液透析とは上記のような腎不全による症状を改善するための治療で、十分な血液を血液ポンプで体の外に取り出し、透析器(ダイアライザ)に通して血液から老廃物・余分な水分を取りのぞき、きれいになった血液を空気が入らないようにして、体内に戻す治療です。
血液透析を十分に行なうには1分間に約200mlの血液が必要です。

エコーガイド下穿刺

当院では、鹿児島でいち早くエコーガイド下穿刺を開始しました。
血管が細い、深いなどの理由から触知が困難な場合でもエコーを使用することによって、確実な穿刺が可能となり、穿刺トラブルに対する苦痛を軽減し、安全で円滑な透析治療を提供しています。  
 

 きれいな水

近年ではほとんどのダイアライザがⅣ、Ⅴ型のハイフラックス膜となっており、透析液はダイアライザを介して体内に入る事になる為、きれいな水できれいな透析液を供給する事が必須となります。
腎愛会ではオンライン補充用透析液の水質基準である細菌数10-6CFU/ml、ET0.001EU/ml未満を全台クリアし、基準を維持しております。

 外用局所麻酔剤(エムラクリーム)の導入

透析患者様は造設されたシャント部2カ所に穿刺を行い、年間約300回の穿刺の苦痛に耐え不安を抱えています。
当院では、透析を受ける全ての患者様に疼痛・不安の軽減に向けた介入が必要と考え、外用局所麻酔剤である(エムラクリーム)が日本において承認、保険適用されるとほどなく鹿児島で最初に使用を開始しました。
引続き、患者様の穿刺時における穿刺痛(血管痛)の軽減に努めてまいります。

オンラインHDF

【上山病院】【うえやま腎クリニック】両院で実施しています。
私達の腎臓では、血液をろ過し、余分な水分や老廃物を取り除いて血液をきれいにし、尿をつくっています。オンラインHDFはろ過のために透析液をそのまま補液として使用するため、多くのろ過をかけることができ、より多くの老廃物を取り除くことができます。
透析を長期間続けると起こってくる合併症に、アミロイドーシスがあります。透析アミロイドーシスは、血液透析治療が長期に渡っている腎不全患者に頻発する合併症です。β2-MGを構成成分とするアミロイド沈着が発症原因であり、沈着は骨および関節の中とその周辺,ならびに手根管内に好発し,消化管や他の臓器にも認められています。
これらのことから、手根管症候群、破壊性脊椎関節症、骨嚢胞性病変、病的骨折など特徴的な臨床症状が起こります。
透析アミロイドーシスの治療は、患者体内のβ2-MGを除去し、アミロイド沈着を防止することにあります。また、アミロイド沈着局所においては、マクロファージ※1がサイトカイン※2を放出するため、サイトカインの除去も必要となります。
オンラインHDFでは、血液透析と比較して上記老廃物の除去を効率的に行うことができ、アミロイドーシスの予防・症状改善、エリスロポエチン阻害物質の除去による貧血の改善、また、サイトカインが除去できることから、全身の痒みやしびれ・不眠などの改善が認められるなど、透析アミロイドーシスのみならず、その他の合併症へも効果があります。
当院では1996年よりHDFを始めた経験値から、より適切なオンラインHDFによる加療を提供致します。

※1マクロファージ:白血球の一種
※2サイトカイン:体内で炎症が起きた時に放出される情報伝達物質

腹膜透析(CAPD)

腹部にカテーテルを留置して、透析液を1500cc~2000cc注入し、腹膜を通して透析を行う方法です。透析液は1日3~4回交換しますが、水分制限、食事制限もごく軽度です。 透析中の血圧低下も見られません。
高齢者に適した透析です。上山病院では、現在腹膜透析にも積極的に取り組んでおります。

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