当院は、鹿児島県初となる
「オーバーナイト透析」を始めます。
患者さまの最良の人生は、患者さま自身が決める権限があります。
透析治療は、多くの場合が時間や行動が制限され、生活の一部となってしまいます。
オーバーナイト透析は、条件など厳しく制約される面もありますが、
時間や行動の制限を緩和できる側面もあり、日常生活と両立することが可能です。
学校や仕事、家族や友人とのコミュニケーションの場をなくすことなく、治療に向き合ってみませんか?
オーバーナイト透析とは
オーバーナイト透析(深夜血液透析)とは、就寝時間を利用し行う透析療法です。
8時間程度の長い時間をかけ透析を行うため、通常の透析療法と比較すると身体への負担が軽減でき、
より多くの老廃物を除去できるという利点があります。
また、日中の活動を制限されないため、社会生活を送りながらの透析治療が可能です。
オーバーナイト透析への移行条件
社会的適応条件
- (1) 仕事をされていてオーバーナイト透析(深夜透析)を強く希望されている方
- (2) 自己管理(水分・内服薬の服用)ができる方
- (3) スタッフの指示に従い安全が確保できる方
- (4) 毎月1回、外来受診(9:00~17:00)ができる方
医学的適応条件
- (1) 透析中に血圧低下等のイベントがない
- (2) 循環器疾患がない
- (3) シャントトラブルがない
- (4) 認知機能に問題がない
- (5) 睡眠薬を使用していない
- (6) 睡眠時無呼吸症候群ではない
自己管理
- 安全な透析をするため、当院では患者様へ自己管理をお願いしております。
- ・1時間の除水量が、目標体重の1%以下(60㎏の方は600ml)
- ・1時間の最大除水量は、800ml以下
オーバーナイト透析中の遵守事項
- (1) 他の患者様の睡眠を妨げる行為は行わない
- (2) 体調不良や発熱がある場合は事前に連絡を頂く※透析中止
- (3) 医師・スタッフの指示に従う
- (4) 当院が指定した時間を厳守する
オーバーナイト透析中止基準
- (1) 当院の適応基準を満たさなくなった場合
- (2) 自己管理が不十分であると判断された場合
- (3) 当院が定める遵守事項を守れなかった場合
- (4) 合併症等で安全な透析ができないと判断された場合
オーバーナイト透析導入までの流れ
オーバーナイト透析は、誰でも実施できるわけではありません。
当院での適応条件を満たした患者さまを対象としております。
オーバーナイト透析訓練の期間
◎他院で3か月以上の透析経験がある場合◎
期間:最短約2か月
① オーバーナイト透析に向けての指導
② 透析中のバイタル確認
③ 検査の実施と確認
④ 患者さまとスタッフとのコミュニケーション促進
◎透析導入から短期間の場合◎
期間:最短約3か月
上記①~④に加え、導入期指導や透析に慣れていただく期間
オーバーナイト透析スケジュール
(一例)
・透析時間は、8時間です。
・透析中は、抜針事故を防ぐためシャント肢を包帯または透明シールなどで保護いたします。
・血圧は、開始時と終了時のみの測定となります。
・血圧低下やトイレ離脱等の場合、その時点で透析を終了させていただきます。
・体調不調時、シャントトラブルは、発覚後すみやかに担当スタッフへ連絡いただきます。
実施する定期検査
- (1) 開始前と年1回の循環器受診
- (2) 胸部レントゲン写真(毎月)
- (3) 一般採血(月2回)
- (4) 心電図・ABI・CT・エコー等(必要時)
糖尿病を合併されている患者さまへ
下記条件を満たせば、オーバーナイト透析可能と判断いたします。
※医師の判断により適応外と判断する場合もございます。
- (1) 透析中の血圧が安定している
- (2) 画像診断にて冠動脈の石灰化が確認されない
- (3) GA(グリコアルブミン)が24%未満にコントロールできている
- (4) 当院医師の診察にて、承諾が得られている
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