3年前に亡くなった父の歳を越して、母は81歳になった。
朝は、お手製の野菜ジュースを飲んでいる。
しかも、それに加えてサツマイモとヨーグルト。
よく飽きもせずに・・・と思うほど長い間、これが母の習慣である。
そして、身体に良いモノを取り入れるのが大好きである。
それは、食べ物にしても運動にしても身体に良いモノ全てである。
最近のブームは、鯖缶と踵落としである。
さらに、数日前に口腔体操「パピプペペポパポ」が加わった。
また、真っ直ぐ歩けなくなってフラフラすると言いながら、
ほぼ毎日一万歩ほど歩くことも日課にしている。
それに、なるべく無農薬野菜をと畑を耕して旬の野菜を摂取している。
それもあって、母は服薬しなくても良いほど優秀な健康体である。
驚くほどにストイックな母である。
希望どおりに買い物をして行くと、長く生きるとあなた達が困るわね・・・と母。
そのおかげで私は働いて生活が成り立っているの、いつもありがとうと答える。
人生100年時代そのものの母に、私も同じことが出来るだろうか?と考える。
年を重ねるごとに、丁寧に生きることの大切さを目の当たりにする。
そんな母に、私は新たな試みを持ちかけてみた。
携帯のメールを送ってくれるだけでも、とても助かっているのだが、
好奇心旺盛な性格である母にiPhoneを持たせてみた。
まだ、LINEもcookpadも使いこなせてはいないが、目下特訓中である。
メッセージをフリック入力してみたり、LINEスタンプを妹に送って大笑いしたり、
cookpadで料理を検索し、スワイプしながらレシピを見たりしている母を横に
子供たちが巣立っていった後の休みを過ごしている私である。
もう身体のあちこちが痛いから、お父さんに迎えに来てもらいたいわと言いながら
テレビの前で一所懸命に踵落としやスクワットをしている母。
これからも元気で長生きしてもらい、人生100年時代を楽しんでもらいたい。
上山病院 医事課係長 石窪