腎臓には、血液中の老廃物や余分な水分などを尿として体の外に出す働きがあります。腎臓の働きが低下し、これらが体の中にたまると、倦怠感やむくみなどさまざまな症状が現れます。
腎代替療法は、腎臓の働きが低下した末期腎不全の患者様に対して、起こっている症状を改善し、生活の質を向上させるために行われます。
腎代替療法には、大きく分けて2つの方法があります。
1つ目は、透析です。
透析は、人工的に血液中の老廃物や水分などを取り除く治療法です。透析には、ダイアライザーと呼ばれる透析器を使用する血液透析と、おなかの中にある腹膜を利用する腹膜透析があります。
2つ目は、腎移植です。
腎移植は、新しい腎臓を移植することで腎臓の機能を回復させる治療法です。腎移植には、親族などから譲り受ける生体腎移植と亡くなった方から譲り受ける献体腎移植があります。
どの療法を選択するかにあたっては、さまざまな疑問や不安がでてくると思います。また、その選択はご自身だけでなくご家族にとっても、これからの生活やお仕事の仕方に影響を及ぼす大きな決断となります。
「腎代替療法専門指導士」の主な役割は、それぞれの療法についてしっかりと説明し、患者様やご家族にとって納得のいく選択ができるようにお手伝いすることです。
当院は、透析治療を中心に腎臓病の患者様に対する療養指導に力を入れている病院です。腎代替療法専門指導士以外にも、腎臓病療養指導士、腎臓リハビリテーション指導士、糖尿病療養指導士、透析技術認定士など、専門の知識、技術をもった経験豊富な職員が多数勤務しています。
日常の生活で気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
上山病院 薬剤科 主任 永松